東京への一極集中により支えられているといっても過言でない日本の経済基盤の安定は、いまなおその力を増幅させ、他の地域にその力を委ねるには相当の時間を要することは容易に想像されるところです。
中でもICT技術の進歩は日々著しく、その技術は今や「ひと」そのものに近づきつつあり、それなしには私たちの暮らしが成り立たないまでに進化しています。
その反面、都市部では移りゆく四季を感じたり、ひとの温かさや命の尊さを心の安定につなげるなど、私たち繊細な日本人がこれまで大切にしてきた心のセンサーが少しずつ退化してきているといっても過言ではありません。
日本はいま慢性的な少子高齢化により人口減少時代に突入しています。
人口減少は、これまでも地方に大きな影響を与えてまいりましたが、近年経験したことのない大幅な人口の減少はさらに地方に大きな打撃を与えるに違いありません。
我々南丹市もそのような地方の一員です。
南丹市には多くの自然があり、いまもなお日本一の田舎と標榜する日本の原風景が多く残っています。
ここに暮らす人々は温かく元気で、地域には様々なコミュニティが発達しています。
また、地域に息づく慣習や文化は、古から綿々と伝えられてきた先人の知恵が凝縮されており、地域に住む人々の暮らしの礎になっています。
もちろん生活には、多くのICT技術が取り込まれており、住民はこれらを自らの生活の中で様々にカスタマイズしながら暮らしています。いわば都市部の住民よりうまく共存しているのです。